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休日はアンティーク食器と北欧家具を探しに

長く愛せるシンプルなデザイン、そして大切に使われる家具たち。
時間をかけてとっておきのお気に入りを探す楽しみ。

土曜日の午後はよくストックホルム市内の散歩に行く。余裕があれば海が見える公園を歩いて、夫と一緒にお昼を食べて、そしてアンティークショップに立ち寄る。まあ、一歳になる娘ができてからはタイミングよくお昼寝してくれる時があれば、に限られてしまったのだけれど。

アンティークショップと言っても、セカンドハンドショップ(いわゆる日本のリサイクルショップ)にアンティークがあるような感じ。ガラクタのようなものもあれば、長く愛されて大事にされてきただろう素敵な北欧家具もある。ストックホルムにきて驚いたのは、セカンドハンドショップがとてもお洒落だということ。北欧ならではのシンプルなデザインの家具や食器が多く、展示の仕方や取り揃えの品が良い。売られているものも、インテリアにこだわる人たちに長く、大切に愛されてきたものが多い気がする。

ストックホルムにアンティークや状態の良いものが多く残っている理由は、長く愛せるシンプルなデザインが多いからだけではない。地震などの自然災害や戦争がほとんどないことから、壊れずに残っているというのも一つかもしれない。いろんなお店を覗くと、比較的きれいな状態で保たれている、そんな印象を受けることが多い。そういうものを集めるセンスの良い店主が多いのかな。

セカンドハンドで買ってよかったお気に入りのものは幾つかある。特にデンマーク産のランプとダイニングテーブル。ランプはシーンによって天井から吊り下げている紐の長さを変えられるもので、40年代のデンマーク製。黄銅の色合いが暖かい。ダイニングテーブルはノルウェー産。中心地から少し離れたアンティークショップで見つけた。Blocketという日本でいうメルカリのようなプラットフォームがスウェーデンにもあって、そこで買ったベッドサイドテーブルも気に入っている。2つセットで買ったが、微妙にサイズが違う。傷もある。でもなんだかこの家具と一緒に過ごした人の暮らしに思いを馳せると、これからも長く愛せそうな気がした。

そんなにすぐに気に入ったものは見つからないから、何度もセカンドハンドショップに立ち寄って「今日は何かいいものあるかな?」と宝探しをする。それが楽しい。洋服もセカンドハンドのお店を見つけたら入るようにしている。忙しい生活には合わない買い物の仕方かもしれないし、便利ではない。でも、時間はかかるけどその分良いものが見つかった時の喜びはひとしお。逆に失敗することもたまにある。とってもお洒落でスッキリしたデザインのソファーテーブル。お店で見た時はシンプルで素敵!と思ったけど、使っているとガタガタしてちょっと安定感がなくて、終いには脚が一本折れてしまった。家具用ボンドを買ってきて直したけど、やっぱり安定感がなくて、あまり重いものを置けないお飾りテーブルになっている。

スウェーデンではサマーハウスを持つ人が多い。別荘らしい別荘を持つ人もいれば、コテージのような、自然に近い森の家のようなサマーハウスを持つ人もいる。夫の家族は後者。手直ししてメンテナンスして長く使われているサマーハウスがある。そこに行くと義理の祖母が集めたアンティークのグスタフスベリ(スウェーデンの陶器メーカー)の食器などがあって、使わないのは勿体無いからと食事やフィーカなどに使わせてもらっている。義理の祖父母には会ったことはない。でもたくさんの食器やカップを見ていると、時間をかけて集めて、大切にしていたんだろうなあと嬉しく感じる。まさか日本人がこのサマーハウスにやってきて、自分が集めた食器を使っているなんて、生前は少しも思わなかっただろうなあ、なんて思ったりする。

ベッドサイドのテーブルも気に入っている。「私が小さい頃に使っていたんだけど、どうかな?あなた好き?良かったらもらってくれない?処分するのは忍びないの。」と義理の母から譲り受けた。輪ジミもあるし、ボロボロだけど、オイルで磨いたらいい味が出てきた。しばらくそのままサマーハウスに置いていたけれど、愛着が湧いてきてストックホルムの家まで持ってきた。今は姿見鏡の下に置いて、花やキャンドルを飾っている。

北欧の人は「足るを知る」という言葉を知っているのかもしれない。「もっと新しいものを、もっとたくさん」という精神ではなく、「すでにあるものを長く使って、周りにある小さな幸せを見つけられる」そんな心持ちの人が多いような気がする。気がするだけかもしれないけれど、ここにきてから私もそんな生き方に憧れるようになって、自分の持ち物を出来るだけ少なく簡素に、きちんと管理できるようにして、そして何か必要なものがある場合はセカンドハンドをまずは見てみる。そんな生活を送れるようになった。

地球には信じられないほど新しいものが溢れている。今あるものを見つめ直して、すでにあるものを使う、出来るだけ。そして新しく手に入れる必要があるなら、長く愛せるものを見極める力をつけていきたい。買い物するときは「これは新しいものを買う必要ある?セカンドハンドで見てみた?」と自分に問うことで、少しでも自分が目指す生き方に近づけるようにしていきたい。


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