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ゴミは資源!空き缶とペットボトルはお金と交換

30年前からスウェーデンで始まっていた
「缶とペットボトルのデポジット制リサイクル」はみんなの買い物ついでの常識に。

飲んだ後の缶やペットボトルは「デポジット制リサイクル」というのがスウェーデンの常識になっている。「デポジット制」とは、缶やペットボトルを買う際にデポジット費用1クローネ(約12円ほど)を追加で支払い、飲み終わったらスーパーマーケット(以下、スーパー)に持っていって容器を返すことで返金される仕組みのこと。
「panta (パンタ)」という、このデポジット制リサイクルを意味する動詞までできていて、人々の日常になっている。空になったペットボトルや缶を少し貯めておいて、まとめてリサイクルする人が多いようだ。専用の回収マシーンに1つずつ入れると自動で分別され、レシートのようなチケットが出てくるので、そのスーパーで買い物をするときに返金分を割り引いてもらう。ちなみに受け取らずにドネーションする選択肢もある。

驚くのはそのデポジット制度がスタートしたのはなんとアルミ缶が1984年、ペットボトルが1994年。30年以上も前から、スウェーデンではいち早く取り組みをはじめたそうだ。
やはり誰もお金を無駄にしたくないからか、リサイクル率がとても高く、ペットボトルは86%、缶は87%まで上がっている。そして2022年現在、スウェーデン政府はリサイクル率を90%まで上げる目標を掲げている。

もちろんペットボトルや缶だけではなく、資源ゴミのリサイクルも盛んだ。道路やスーパー、アパートの中などに大きな緑色のリサイクルボックスが何個もあって、「ゴミとして捨てる」のではなくて「資源としてリサイクルする」という選択がすぐそばにある。リサイクルの種類も細かく分かれていて、ガラス瓶色なし、ガラス瓶色あり、新聞紙、厚紙古紙、プラスチック、メタル、衣類などの回収ボックスを道端でよく見る。生ゴミは専用ボックスがアパートのビル内にあるところも多く、市から配られる茶色の紙袋に入れて回収する。それはバイオエネルギーとして再生されて、ストックホルム市内のバスを動かしている。ここに住んでいて便利なのは、曜日に関わらずいつでも毎日好きなときにゴミをリサイクルできること。「明日は水曜日だから可燃ゴミだな」などと考える必要がなく、リサイクルすることが非常に簡単で自分への負担が少ない。

粗大ゴミなど、そのほかに処分したいものはリサイクルセンターに持っていけば処分出来る。以前壊れたミキサーを処分するために最寄りのセンターに行ったとき、あまりにもスタイリッシュなリサイクルセンターで驚いた。トップの画像にもある「Återbruk(オーターブルク)」とはスウェーデン語でリユース・再利用のこと。まるでミュージアムかと思うようなライトアップ、おしゃれなデザインになっていて、SNSにあげたくなるようなスポットだなと感じた。楽でおしゃれで自分達の生活をよくする、そんなサイクルがストックホルムにはあった。

ちなみにここスウェーデンでは、スーパーやコンビニではお酒は買えない。アルコール度数3.5%以下の度数の低いものは販売しているが、普通のビールやワイン、ウイスキーや日本酒などは国営の酒屋「Systembolaget(システムボラーゲット)」に行かないと手に入らない。しかも日曜日は販売禁止。土曜日も地方では13時、ストックホルムなどの都市部では15時に閉店する。アルコール中毒対策なのか、全てお酒は常温で売っている。冷えたビールを買ってすぐに飲むことはできないし、日本のように飲み切ったらコンビニに行けばいつでも買えるということにはならない。
最初は慣れるまで不便だなと思っていたが、スーパーへ買い物に行くついでに、飲み終わったビール缶をリサイクルして、酒屋に寄って買って来ればいい。スウェーデンの便利すぎない生活も悪くないかもと思いつつ、でもやっぱり日本のコンビニはちょっと恋しい。


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参考リンク
〇スウェーデンのリサイクル
https://sweden.se/climate/sustainability/recycling-and-beyond