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北欧から学ぶシンプルで楽に生きる暮らしのヒント探し

モノは少なく、でも好きなものは妥協しない、
クローゼットは自分的満足度90%以上のものだけに。

北欧ストックホルムに越してきてから、外見を過度に気にしなくなった。市内に住んでいてもカジュアルな格好をしている人が多く、電車で周りを見回すとノーメイクの人がいたり、ゆるくて気取らない洋服を身に纏っている人が多い。もちろん、オシャレに気を遣ってる人も確かにいるが、スーツやハイヒールの人はとても少ない。東京で勤務していた時のあの感覚。「新しい服を買わなくてはいけない、新しい靴やカバン、コスメを買わなければいけない」そう言ったプレッシャーが無くなった気がする。もちろん、好きで楽しめていた時もあったが、「本当に買いたい」と言うよりも「何となく世間的にそうするべき」という気持ちで、一種の戦闘服のような感覚で着飾るものを買っていたような気がする。


ストックホルムでは他人をジャッジしない風潮がある気がする。個々の自由が尊重されているというと聞こえがいいが、むしろ誰も周りにどう思われるかをほとんど気にしていないのかもしれない。そんな街で生きていると自然と「シンプルで楽に生きる暮らしのヒント」のようなものを感じ取れるようになってきた。そのヒントを探っていると、それがサステナブルに生きやすい社会に繋がることにも気づいた。

スウェーデンのセカンドハンドショップ、ARKIVET

例えば、「持たない暮らし」だ。もちろんある程度のものは一通りあるが、自分の家や身の回りにあるモノを少なくすることで、何を持っているのか、どこにあるのかを常に把握することができるようになった。その結果、無駄買いが減った気がする。買い物をする前に、まずは家に代用できるものがないか考えて、何にお金をかけたいのかを考えるようになったし、レンタルできないか、セカンドハンドで買えないかを考える癖がついた。スウェーデンは税金が高いこともあって色々高い。だから不必要なものにお金を使いたくないと思うのかもしれない。と言いつつ、いつか使うかもしれないと思って取ってある食器、買いすぎて残って腐ってしまった洋梨が冷蔵庫にはあるけれども。ただ最近は以前に比べて、確実に思い止まって考える癖がついてきた。

スウェーデンのセカンドハンドショップ、ARKIVETの店内

クローゼットの中身も変わってきている。引き出しはあまり使わないようにして、ハンガーにかけてクローゼットのドアを開ければ何がかかっているか見えるようにしている。そうすると場所が少ないからと言う理由で、そのクローゼットに入れる服は自然と良く吟味して、厳選するようになった。取っておくかどうかを決めるポイントは、自分的満足度90%以上かどうかということ。「この服なら自分らしいし自信が持てる」と思えることと、頻繁に洗濯している洋服(つまり頻繁に着用している)かどうかと言うこと。満足度が90%以下ならすぐに袋に入れて、リサイクルショップ(セカンドハンドショップ)に寄付するか、フリマアプリで売るか、資源回収に出してリサイクルする。これを定期的にやる。手放す作業はアクションまで持っていくのが面倒な時も多い。そう言う時はただ袋に入れて奥の方に閉まっておく。6ヶ月引っ張り出してこなければ、心置きなく、手放そうと決めている。

スウェーデンの子供服レンタル、Hyber

新しくクローゼットにメンバー入りさせる服は、出来るだけセカンドハンドで探す。試着を何度もして、自分的満足度が90%以上か考えて購入する。本当に気に入ったものしか買わない。これが大量生産、大量消費する生き方と違って、二酸化炭素排出も無駄もなくなって心地良い。
子供服も「Hyber」というスウェーデンの子供服レンタルショップで借りたり、セカンドハンドショップで好みのものが見つかるから、モノを持たなくて良くて、気持ちが楽になる。

シンプルに暮らすヒントを考えていると、余計なモノは持たない、他人の目は気にしない、自分にとって本当に大事なものは何かを理解する。これが重要なのかなと感じる。あとは心の余裕かもしれない。心に余裕があれば多少の不便でもストレスにならないし、他人にも優しく出来る。そうすれば持続可能な(サステナブルな)社会の一員になれる気がする。

日本で暮らしていた時には、便利だし、機能することが当たり前だったから、何でもかっちりとしていなければ、イライラしたり不満を感じたりしていた。でもこの国では、配達荷物はほとんど時間通りに来ないし、夏休みを4週間取る人が多いから、ビジネスでも「夏休み明けに連絡して」と言われることも頻繁にある。過度に期待しない人が多いのかもしれない。これに慣れると、スムーズに行かなくても「まあ仕方ないかあ」と思えるようになり、諦めがついて、ストレスも減った気がする。冒頭の通り、電車に乗っても人種もファッションもさまざまな人が多く、着るものも新品じゃなくても自分がいいと思えばそれでいい。他人と比べることが無くなったし、完璧な自分じゃなくていい。そう思えるようになってきた。努力はするけど無理をせず、そのままの自分でいい。そう思う事が自分にあってるし、そんな風に生きていく自分が少し好きになれた。

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