1. TOP
  2. Köta Stories
  3. 2040年までに電力を再生可能エネルギー100%に

2040年までに電力を再生可能エネルギー100%に

冬は真っ暗なスウェーデン。キーとなるのは水力発電。

スウェーデンの夏は、息を呑むほど美しい。半年間ほどの長い冬が明けると、5月から8月はほぼ一日中ずーっと明るい。スウェーデンの南に位置するストックホルムでは、6月下旬の夏至の頃は夜23時になってもまだ明るい。少し薄暗くなったかと思えば、午前2時台からまた明るくなってくる。あんなに暗く辛かった冬を一瞬で忘れてしまいそうになるくらい、スウェーデンの夏は輝く。気温は23-29度ほどで、湿度も低くカラッとした気候。夏の明るい時期に入ると、スウェーデン人たちは別人格になったかのように元気に明るくなり、一気に笑顔が増える。

スウェーデンには2万以上の島があり、船で島めぐりをすると豊かな自然に惚れ惚れする。そんなスウェーデンでは全体的に環境意識が高いように感じる。環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんなどの出身地でもある、ここスウェーデンでは環境についての知識・教養がある人が多数派。随分と前から学校でも会社でも、環境破壊をどう抑えるかが教育テーマや議題となるケースが非常に多い。それは一年を通して太陽の変化を感じやすい気候、島や森、海に囲まれた環境が、自然を近く感じさせ、地球に生きている感覚を生み、問題意識を持ちやすくするのかもしれない。

スウェーデンでは2040年までに全ての電力供給を再生可能エネルギーにする目標がある。スウェーデンには化石燃料資源はそこまでないため、石炭や石油、天然ガスなどの資源は輸入に依存している。電力供給の主なソースとなっているのは豊かな水力と原子力。確かに水資源はとっても豊か。グレタ・トゥーンベリさんは原子力発電には否定的な意見だが「今すぐ化石燃料の使用を止めてCO2排出量を削減するには、一つの対策になる」というIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の見解には理解を示しているようだ。

2015年にはエネルギー自給率は75%になり、その半分以上の47%が水力発電、35%が原子力発電となっている。ちなみに日本の自給率は11%ほど。人口面で比較にならないほど小さなスウェーデンだが、75%も自国で賄えるのは優秀だ。風力(17%)やバイオマスも開発が進んでいるようだが、太陽光発電はあまりない。太陽の出ない冬を経験すると、それも納得だ。1ヶ月に4時間しか太陽が見えない月があった時は暗すぎて、人間のわたしまでエネルギー不足になった。ちなみに太陽が出ないとビタミンDが生成できないので、冬になるとサプリを摂ることが薦められる。日本では紫外線は大敵と思い太陽を避けていたが、太陽があることの大切さを改めて感じさせられる。


個人でできるエネルギー対策もある。自分の家の電力供給元を再生可能エネルギーを提供してくれる会社に切り替えること。これが意外と簡単にできる。今あるエネルギーシステムを変えなくてもネットで簡単に契約変更ができて、それ以外特にすることはない。値段を比較してもほとんど変わらないくらい。毎日使う電気。どんなにサステナブルなライフスタイルを目指していても、そもそも電気エネルギーが化石燃料から出来ているものを使っていたら、とても悲しくなる。日本でも2016年から一般家庭でも電気会社を選べるようになったから、ちょっとネットで調べてみてほしい。かなり簡単でびっくりすると思うから。


参考リンク
Energy use in Sweden
Cox: How Greta can transition from blah blah blah
未来をつくる“でんき”のえらび方

【SDGsって?】達成率1位の北欧スウェーデンの取り組みを考えてみた