コーヒー消費量世界一と呼ばれる北欧では、コーヒーの存在は欠かせない。スウェーデンには「フィーカ」というコーヒーを飲みながら休憩してコミュニュケーションを取る時間が毎日必ずある。そんなコーヒーの市場規模はとっても大きく、その総取引額は世界で年間800億ドルと石油に次ぐ市場規模。そして原産国のほとんどは開発途上国だ。つまりコーヒーを飲む人たちがサステナブルな選択を取ると言うことは社会的にも大きな意味を持つ。

スーパーでコーヒー豆を買うときに気づいたことがある。スウェーデンのコーヒー会社大手4社、どこの会社のパッケージでもサステナブル認証マークがついているものがとても多い。味が美味しいことはもちろんだけど、これからも飲み続けられるように持続可能な生産・消費ができることが大切と思っている人が多いのかもしれない。全部に認証マークがついているわけではないので、買うときはどのマークがついているかを気にして買うようにしている。しかもそのマークがついているからといって値段に大きな差があるわけではない。スウェーデンでよく見るマークというとFairtrade、krav、EU organic、CO2 compensated、Rainforest allianceあたりだ。

「Fairtrade」は開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することで、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」のこと。

「Krav」はスウェーデン特有のラベルで、人工化学農薬を使用せずに製造された有機食品が付けることができるマークで、アニマルウェルフェアも項目に入っている。コーヒー以外にも食品全般でよく目にするマーク。

「EU Organic(緑の葉っぱのマーク)」は、EUでオーガニック規準を満たしている製品のマーク。

「CO2 Compensated」はコーヒーの栽培から店頭や小売店に並ぶまでの生産過程で発生するすべての温室効果ガスを、カーボンオフセット証書を購入することで補償しているマーク。各証明書はシリアルナンバーが書いてあって、追跡（トレース）できるようになっている。再生可能エネルギーで動いている工場で焙煎し、運送に関しても化石燃料フリーの車（バイオエナジーや電気自動車など）で配送したり、木を植えたり、熱帯雨林の保護に投資するなどして、カーボン・オフセットしている。ちなみに「カーボン・オフセット」とは「排出量が減るよう削減努力を行い、どうしても排出される温室効果ガスについて、排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資すること等により、排出される温室効果ガスを埋め合わせる」という考え方。

「Rainforest Alliance（レインフォレスト・アライアンス認証マーク）」 は、人・土地・水・野生動物を守る環境基準に沿って作られた製品につけられるマーク。

毎日コーヒーを飲む私は、紙のフィルターを毎朝使って捨てている自分の行動が気になっていた。とある紅茶専門店で布フィルターを見つけて以来、何度でも繰り返し使える布フィルターに惚れて、それでコーヒーを入れている。ちょっと色がついて茶色っぽくなっている布フィルターを可愛いとさえ思ってきている。カフェインの取りすぎかもしれない。

好みにもよると思うが、私はコーヒーはブラックより、何かミルクを入れたい派なので、植物性ミルクのオートミルクを入れて飲む。牛を育てるとゲップやオナラでCO2やメタンガスがたくさん出るが、それが気候危機の一つの要因であると言われている。牛乳が必要な人もいると思うが、自分はなくても大丈夫なので、出来るところから、ほんの少しでも貢献できたらと考えている。牛乳でできたアイスクリームやバターなどはたまに食べるから、植物性ミルクのオートミルクをいれてコーヒーを飲むことで、自分の中での総牛乳消費量が少なくなって、なんだか心が楽になる。それに、何よりバリスタ向けに作られたコーヒー専用オートミルクは相性が良くて、いれて飲んだ方が美味しく感じる。

毎日飲むものだからこそ、自分の納得できるものを生活に取り入れたいと思うようになってきた。あと、そういうサステナブルな選択肢をスーパーマーケットで簡単に選べる環境を作り上げたスウェーデンは素敵だなあとも思う。ニーズがあれば売り手は変わる。積極的にそういう商品を選んでいきたい。


参考リンク
おいしいコーヒーの真実: コーヒー豆知識
COFFEE MARKET IN SWEDEN
100% CLIMATE COMPENSATED COFFEE
環境省：カーボン・オフセット

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