ストックホルムのおすすめセカンドハンドショップまとめ
ビンテージ、レトロ、クラシック、モダン。さまざまなファッションや北欧家具、北欧雑貨が集まる週末の市内散歩はいかが?
ストックホルム市内を歩いていると、可愛いセカンドハンドショップを見つけることが結構ある。ファッション関連をメインに扱っているお店もあるし、ロールストランドやイッタラなどの北欧食器、雑貨や家具などを主に取り扱っているところもある。ガラクタ系を売っているお店からビンテージ系を扱っているお店、そして最近のファッショントレンドに合うような洋服をおしゃれに売っているお店など色々だ。たまに我が家にサポートに来てくれる10代のスウェーデン人ベビーシッターさんがおしゃれな鞄を持っていたので、どこで買ったのか聞いたところ、鞄はおばあちゃんからもらったもので、ジャケットはセカンドハンドで買ったと教えてくれた。彼女の友達やクラスメイトなど最近の若い子たちは、環境負荷を考えて、プラントベースの食事を多めにして、コーヒーは植物性ミルク(オートミルクなど)で飲んで、休日にはセカンドハンドショップ巡りをして好きな服を選んで、おしゃれを楽しむ、そんな過ごし方をする人が増えていると話してくれた。トレンドはファストファッションよりスローファッション。これから消費者層のメインになる子たちの間で、そんなトレンドが流行ってきているのは素敵だなと思った。
そんな彼女にお気に入りのお店を何件か聞いてみた。まず、彼女が最近よく行くのは市内中心地にある「Beyond Retro」と「Emmaus Stockholm」。「Beyond Retro」はDrottoninggatanというメイン通りにあって、何年も前からある老舗だ。調べてみると、2002年に英国ロンドンでオープンして、スウェーデンのストックホルムとフィンランドのヘルシンキにも店舗を構えているとのこと。彼女の話を聞いて久しぶりにお店に足を運んでみたが、以前のレトロな洋服の専門店という印象とは少し変わって、よりさまざまなファッションを取り扱っているように見えた。例えばラルフローレンやナイキなどのブランドものもあったし、ディスプレイも店内のインテリアもフレッシュな印象を受けるものになっていた。そして最近セカンドハンドのお店を巡っていて気づいたのは、リサイクルされた洋服だけではなく、環境を考えて作られたブランドなどの新しい商品(例えばサングラスや帽子、靴下など)も取り扱っているお店が多くなってきていること。このBeyond Retroにも新しく作られたサングラスや帽子などが売っていて、それが新鮮さを引き出しているのかもしれないと思った。そしてこのショップでは商品がオンラインでも買えるようになっているとのことで、ネットショッピングが当たり前になってきた今の社会でも顧客がアクセスがしやすいようになっていた。
「Emmaus Stockholm」はストックホルムに何店舗かあり、大人向けの洋服だけではなく子ども服やスポーツ用品、雑貨などもあるので、見ていて楽しいとか。そして移民や女性などの権利を守る活動もしているので、社会を良くしたいと思う人たちの支持を得ているようだ。それを聞いて思い出したのは「Stadsmissionen」や「Myrorna」というセカンドハンドショップ。この二つも市内に何店舗もショップがあり、利用しやすいので、私も何か使わなくなったものが家にある時は、ここのどちらかに持っていくことが多い。この二つも社会のサポート活動もしている。例えば経済的に難しい子持ちの家庭や失業して一時的に苦しい生活を送っている人に向けて、洋服の配布や炊き出しなどを行ったり、売上の一部を孤独な高齢者の支援や家庭内暴力にあった女性たちの保護施設の手配などに当てたり。それから職を失ってホームレスになった人などが社会復帰するために、職業トレーニングをしていることもある。そういう社会的活動をしている団体だと、セカンドハンドを手にすることで気候危機の解決策の一つになるだけではなく、サポートを必要としている人にも支援がいくので、どんどん利用したいなと思える。あとは私が最近気に入っている「Arkivet」というセカンドハンドショップ。キレイめファッションが好きな人はストックホルムに来た時に一度のぞいてほしいショップで、ビンテージやレトロというより、オフィスでも着られるような洋服が売っている。
ファッション雑貨に加えて、家具もビンテージやレトロが人気の北欧。私が我が家の家具を揃えるのに利用したショップをいくつか紹介したいと思う。まず比較的中心地にあるのが「Drakens Anstiques」。Kungsholmenという島にあり、最寄駅はグリーンラインのFridhemsplan駅。入口は小さいがスロープを降りて中に入ると、外観からはあまり想像できない大きな部屋にアンティークが所狭しと並んでいる。食器やランプなどの小物や、テーブルや椅子やソファーなど、大きな家具まで取り揃えていてワクワクする。我が家はここで木製のアンティークの鏡2つととランプを購入した。毎週火曜日に新しい商品が入ってくるようで、状態が良かったりするとすぐに売れてしまうらしい。
少し遠くまで足を伸ばせる日に行きたいのが、「Floras Retro」。グリーンラインのBagarmossen駅が最寄駅。おしゃれでレトロな北欧雑貨が見つかるお店。食器やお部屋を飾る装飾品、ランプや小さなテーブルなどがある。センスの良い飾り方で、行くとついなんでも買いたくなってしまう。我が家のリビングに置いている小さなテーブルと本棚はここで買ったもの。今は本店をリノベーション中で、アクセスしやすいÖstermalmエリアにも小さなお店を出しているようだ。
「Noma Nordic」は北欧家具専門のアンティーク・セカンドハンドのお店。デンマークやノルウェー、スウェーデンなどの椅子やソファー、テーブル、棚などの大きめの家具を豊富に取り揃えている。グリーンラインのSandsborg駅が最寄駅で、この近くはおしゃれな雑貨屋さんやカフェがあり、天気が良ければ散歩にぴったりのエリアでもあるので、週末のお出かけにぴったり。我が家のダイニングテーブルと椅子にはここで巡り合った。オーナーさんはノルウェー出身の方で、たまたま別の配達があるからとわざわざ我が家まで買ったテーブルと椅子を車で届けてくれた優しい方だった。スウェーデンは200年以上(国内では)戦争をしていない。地震や台風などの自然災害も少なく、建物やモノが破壊されるということがあまりない。今でこそ安定した経済と高い生活水準を手に入れたスウェーデンだが、厳しい冬の寒さと土地柄、農産業も豊かではなかったため、昔は非常に貧しい国だった。だからモノを大切にして長く使ってきたことと、戦争や災害などの被害が少なかったこと、そして自然を大切にする国民性など、いろいろな要素が相まって、北欧家具や北欧雑貨、建造物などは長い時間生き残ってきたものが多い気がする。ストックホルムに遊びに来ることがあれば是非文化背景も含めて、アンティークやビンテージ、セカンドハンドショップを回って、スウェーデンを楽しんでもらいたい。
○ファッション編
Arkivet
Emmaus Stockholm
Beyond Retro
Myrorna
Stadsmissionen
○雑貨/家具編
Drakens Anstiques
Floras Retro
Noma Nordic